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越前焼の特徴

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◆素朴で頑丈、風情ある日用品

江戸時代の大甕

越前焼は、壺・甕・すり鉢の3器種を中心とした生活雑器や、経筒・骨壺などの宗教的用途としても使用されていました。越前焼に使われる土には鉄分が多く含まれ、耐火性も強いため、表面が赤黒・赤褐色の焼き上がりとなり、土が焼き締められました。

このため越前焼は水漏れがしにくく、水や酒・藍染等の染色液の保管に使われたほか、穀物の保存・貯蔵といった用途でも使用されていました。

越前焼の焼成には当初、「窖窯あながま」(山の斜面をトンネル状に掘り抜いた全長13メートル前後の大きい穴)を用い、壺や瓶、すり鉢など約1トンを1300度近い高温で、1週間ほどかけて一度に焼き上げていました。

窯は最初「越前陶芸村」のある越前町小曽原に作られ、同町熊谷・平等などの各丘陵地に広がっていきました。室町時代後期になると、甕60個、すり鉢1200個など約5トンを一度に焼くことができる全長25メートル以上もの巨大な窯を、越前町平等の一ヶ所に集めて大生産基地を作り上げました。大量の粘土や薪を使い、多くの陶工が働く越前焼生産基地が完成したのです。

しかし、室町時代を境として、越前焼生産は下火になりました。江戸時代後期には愛知県瀬戸から連房式登り窯の技術が伝わり、登り窯による生産も行われますが、越前焼は徐々に衰退していきました。越前焼復興のため、様々な人々が尽力しましたが、再興するにはいたらず、ようやく昭和40年代に福井県の支援のもと、「越前陶芸村」建設にいたるのです。

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