予防接種を受ける時に注意が必要な子ども(接種要注意者)慢性の病気をもっていたり、アレルギーがあったり、感染症の潜伏期にある人などは、症状によっては接種できないことがありますので、予診の時に医師によく相談したうえで決めてください。 @心臓病、腎臓病、肝臓病や血液の病気、発育障害などの基礎疾患をもっている子ども ・慢性の病気(心臓病、腎臓病、結核、ぜん息など)をもっている子どもは病気がぶりかえしたり重くなったりして、症状がはっきりしている時には接種は避けます。 しかし、慢性の病気をもっている子どもが感染症にかかれば、その病気がよけい重くなったり、悪化することがあるので、こうした子どもこそ予防接種によって守ってあげる必要があります。 たとえば、先天性の心臓病の子どもは、なるべく受けるように勧められています。慢性の呼吸器の病気をもっている子どもも同様です。 主治医とよく相談して、その指示に従って受けるようにしてください。 ・発育が悪い子ども:首のすわりが遅かったり(5ヶ月以後)、おすわりができない(9ヶ月以後)という場合や、からだの発育が特に遅れているなどという場合は、何か病気がかくれていたりすることがありますので、医師に相談してください。接種を受ける時に、元気であればたいていの場合は問題ありません。 ・未熟児で生まれた子ども:未熟児や、難産で生まれた子どもの場合は、単に小さいだけで健康の場合は問題はありませんが、呼吸器などの症状がある場合は予診の時に医師とよく相談してください。 A前回の予防接種で接種後2日以内に高熱がでた子どもや、全身性発疹などのアレルギー性の反応を起こしたことのある子ども DPT、インフルエンザ、日本脳炎など何回も接種するワクチンでは、以前に受けた時の反応が参考になります。接種後に、高熱、ひきつけ、発疹、注した箇所が強くはれるなどしたことがある子どもは、つぎの接種は中止するか、量を少なくして接種するかの判断が必要になります。予診票に記入しておき、医師に相談してください。 Bけいれんやひきつけを起こしたことのある子ども ・麻疹ワクチンは、接種後3日から12日ごろの間に熱が出て、そのためにひきつけを起こすことがありますので、何回もひきつけを起こしたことがある子ども、熱がなくけいれんを起こしたことがある子どもは注意が必要です。このような子どもは予防接種を受ける前に、けいれんやひきつけの原因をよく調べることの方が大切です。てんかんなどでひきつけ止めの薬を続けて飲んでいる子どもは主治医に相談してください。 ・ポリオ、BCG、風疹ワクチンはあまり心配はありません。 C免疫不全の診断がついている子ども 生ワクチンに関する注意が必要です。 ・からだの免疫が弱まっている(免疫不全の状態にある)と、生ワクチンのウイルスや細菌が異常に増えて病気を起こすことがあるので、接種を受けないようにします。 ・特別な薬(たとえば、抗がん剤、副腎皮質ホルモン)を使っている場合は、免疫が弱まっていることが多いので、生ワクチンの接種は特に注意が必要になります。最近は副腎皮質ホルモンがかなり広範囲に使われていますので注意が必要ですが、副腎皮質ホルモンの入った軟膏を皮膚に塗っているくらいでは心配ありません。 ・生まれつき、免疫反応が弱い場合(先天性免疫不全症)は特別な検査をしないとわかりませんが、たとえば何回も中耳炎や肺炎を起こしたりする場合はその可能性がありますので、あらかじめ主治医に相談しておいてください。 D接種しようとするワクチンの成分でアレルギーを起こすおそれのある子ども 薬を飲んで薬疹がでたり、卵や牛乳、大豆など特定のものを食べると発疹ができたり、下痢をしたりする子どもや、アトピー性皮膚炎やぜん息がある子どもは一般的にアレルギー体質といわれます。しかし、アレルギー体質の子どものすべてが、予防接種を受けることができないわけではありません。ただ単にアレルギー体質であるだけという場合はまず問題になりません。 ワクチンに含まれる成分に対してアレルギーのある子どもが特に注意が必要ということです。 たとえば卵アレルギーの子どもは、卵を使って作ったワクチン(たとえばインフルエンザワクチン、麻疹ワクチン)は受けないようにします。 決まった食べ物や薬のためにアレルギーを起こすことがはっきりしている子どもは、そのことを予診票に書いて、医師に相談してください。 ワクチンに含まれる成分でアレルギーに関係する主なものとしては、卵の成分、抗生物質、水銀製剤、ゼラチンがあります。 E麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘にかかっている子ども その病気が治ってから、1ヵ月以上たってから受けます。 なお、兄弟や周囲にいる子どもがこのような病気にかかっている場合は、接種を受けようとする子どもに症状がでていなくとも、すでにうつっている(潜伏期にある)可能性がありますので、接種を少し延期して様子をみてください。 |