
イベント情報
平成22年10月6日(水)に東京砂防会館において、「ふるさと納税推進フォーラム」を開催しました。全国自治体職員や「ふるさと納税」に関心を持つ一般の方を含め約220名の方に来場いただき、盛況のうちに終えることができました。
当日の概要は以下のとおりです。
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●主催者あいさつ(福井県知事 西川一誠) 本日は、「ふるさと納税推進フォーラム」にたくさんの方にご参加いただき、お礼を申し上げます。 ふるさと納税は、生まれ育ったふるさとを離れ都会で暮らす人がふるさとを応援したいという気持ちを形にあらわす制度であり、一昨年5月からスタートし、今年で足かけ3年目を迎えております。福井県が制度を提唱したということであり、その普及拡大を目指して設けた「ふるさと納税センター」にいただいたデータによると、昨年度の全国自治体のふるさと納税寄付金は約2万3千件、22億円余り。ふるさとを思う多くの皆様に対し、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。 ふるさと納税は、創設した際には多くのメディアが取り上げましたが、数年間たつと、いかにこれを普通の制度として定着させるかということが大切な時期になってきていると思います。 最近の話題としては、宮崎県の口蹄疫被害の現場を応援しようと、全国から約4千件、1億3千万円のふるさと納税寄付金が活用されていると伺っております。福井県の例を紹介しますと、これはふるさと納税以前の話ですが、平成16年に福井豪雨災害が発生しました。そのときに匿名の2億円の当選宝くじが私あてに送られてきました。現在、多くの方々がそれぞれ思っておられるいろんなプロジェクトや地域あるいは人々に対して応援しようという動きが日本全体に広まっています。こういう中で、ふるさと納税制度は、これからも大きな役割を果たすことが大事であり、またそのような動きが出ているのではないかと思います。 しかし一方で、この制度をさらにもっと利用しやすいものにしていくための課題も出てきております。一つは、サラリーマンが寄付した場合に、確定申告が面倒であるとか、5千円の負担が必要であるとか、いろんなことを気にせずに寄付できることが大事であるという議論が出ております。この点については、今年5月に、福井県も含めまして全国16の府県の知事が連名で総務大臣に要請を行いました。これからも多くの自治体と一体となって、継続的な要請活動を行ってまいりたい。 ふるさと納税制度は、さまざまな側面を持っていますが、大きくは寄付文化の醸成であり、人々が自ら選び取るふるさととのつながりを持つための仕組みであります。都市に生活する人にとって、ふるさとを思い、ふるさと納税という形でふるさととつながる、そしてその喜びを分かち合うもの、そういうことだと思います。本日ご来場の皆様の中には、寄付をお願いする苦労を感じておられる方も多いと思いますが、こうしたふるさと納税に関わることは、ある意味で新しいタイプの仕事で、質の高い喜びを得る機会であると思ってほしい、こんな気持ちも抱きます。 この後、鹿児島県ほか4自治体から、ふるさと納税の具体的な取組みや活動事例などを発表していただきます。その後、山根一眞(やまねかずま)氏、三屋裕子(みつやゆうこ)氏、玉田樹(たまだたつる)氏、それに私も含めて、ふるさとをテーマにディスカッションを行う予定です。会場にお越しの皆様には、それぞれのふるさとへの思いやふるさとをもっと元気にするにはどうすればよいのかなどをお考えいただく絶好の機会になればと思っております。 最後に、本日お集まりの皆様方の今後ますますのご活躍とご健勝、そして日本がなお一層元気になりますことを祈念申し上げまして、冒頭のごあいさつといたします。 |
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●「ふるさと元気プロジェクト」ふるさと納税推進事例報告 ☆東川町(北海道) 写真の町として町づくりを行っている東川町。ふるさと納税の推進 策として、町サポーター制度とふるさと納税制度を組み合わせた 「ひがしかわ株主制度」を創設。制度の概要や株主特典、実施事業 などについて発表していただきました。 ☆京都市(京都府) 全国に多くのファンをもつ京都市。ふるさと納税の推進策として、 抽選で京都市内のホテルに招待したり、オリジナルマンガを制作する などのキャンペーンを随時実施するなど、多くのファンに感謝し、 応援してくれる方々の気持ちに応えるための取組みについて発表 していただきました。 ☆米子市(鳥取県) ふるさと納税の推進策として、地元企業とタイアップして、寄付金額 に応じて地元特産品を提供。寄付者は、種類豊富な中から選択でき るなど、寄付の増加と地元特産品知名度アップにつながっていること などを発表していただきました。 ☆松山市(愛媛県) 司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」を取り入れた「『坂の上の雲』の まちづくりを進めており、ふるさと納税寄付金は、「物語のある観光」 などをテーマとしたまちづくり事業に活用。独自に「ふるさと納税」に ついてアンケートをとり、その分析結果について発表していただきまし た。 ☆鹿児島県 県と県内市町村で構成する「かごしま応援寄附金募集推進協議会」 を設立し、県、市町村が一体となって募集活動を展開していることや、 東京・大阪事務所に専従の職員を配置し、最前線で募集活動を行って いることなどについて発表していただきました。 |
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●「いきいきふるさとづくり」パネルディスカッション ☆コーディネーター ノンフィクション作家・獨協大学経済学部特任教授 山根 一眞 ☆パネリスト 鰍モるさと回帰総合政策研究所代表取締役 玉田 樹 スポーツプロデューサー・筑波スポーツ科学研究所副所長 三屋 裕子 福井県知事 西川 一誠
【山根】 【三屋】 【山根】 【三屋】 【山根】 【玉田】 福岡県の甘木市の駅前にある宮崎湖処子の碑に、「帰省」というタイトルで「このうるわしの天地に、父よ安かれ母も待て、学びの業の成る時に、錦飾りて帰るまで」と書いてあります。何よりに気に入ったのは「このうるわしの大地」。やはり「ふるさと」というのは「このうるわしの大地」そのものであります。要するに、心の居所、自分の気持ちをいやしてくれる場所。 しかし、20年ぶりに地方を回り始めたとき、20年の歳月ってこんなに地方をだめにするのかと、愕然とした気持ちになりました。この落差は一体何だろう。私はこれを復活させるために何とかしたいと今の仕事を始めています。私にとって「ふるさと」とは弘前だけではありません。全国各地が「ふるさと」で、「このうるわしの大地」という田舎がふるさとになってほしい、そういうことを願っています。 【山根】 実は、このふるさと納税制度も、もっといろんな知恵があると、私たちの払う税金がうまく活かされていくのかと思っています。そのベースにある大事な「ふるさと」という思想、あるいは日本列島を覆っているもう一つ別な世界、そういうものに西川知事は気づかれ、そこから論理構築をされて、地域を活性化させる、福井県を活かしていく、日本中をよみがえらせてくれる、新しい思想のようなものをつくられたのかと思います。知事はどういう「ふるさと」というもののイマジネーションを得られましたか。 【西川】 そしていよいよ21世紀になり、むしろそういうタイプではなくて、さらに自分たちが、もちろん生まれたところはふるさとということになるかもしれませんが、何か関係のあるところを自分でふるさととして選んでいこうという時代になりました。そこで生きがいを見つけるとか、友達をつくるとか、つながりをつくっていこうとか、そういう感覚ですね。それをいかに制度としてつくり上げるかというのが、ふるさと納税の考え方です。 行動で表すためには、まず思うことが大事ですが、思うだけでは何もならないので、まずは寄附という形を考えました。 究極的には、みんなに来てほしいという「ふるさと帰住」。今は、その方向に動かす途中の段階だと思います。ふるさと納税制度にいろいろ課題がありますが、大きな流れはそのように感じています。 【山根】 【西川】 福井県は、毎年約3,000人の高校生が東京や大阪の大学に進学し、4年後には1,000人しか戻ってきません。これは市場の力というものが加わっているためで、同じような現象が全都道府県で起こっています。 【山根】 【三屋】 そうしたときに、そこに行かないと買えない、そこでしか手に入らない、そこでしか体験できないなど、地域の独自性をこれからもっとつくっていくべきだと思います。そうすれば人はきちんと動きます。そうした独自性が、これからの日本の国全体の再生の鍵になると思います。 【山根】 【玉田】 西川知事は『「ふるさと」の発想』の中で、「ふるさと」とは何かということを述べられています。「つながり」と書かれており、これはものすごい重要な考え方だと思います。 今の都市と地方の問題を端的に申し上げますと、17歳人口の20%は東京に行って戻ってきません。地方の人口は毎年0.23%ぐらいしか減っていませんが、17歳人口が減少しているのです。これがボディーブローのように地方に効いているというのが現実です。この奪還をしない限り、とんでもないことになります。 私は2012年には10%の人がふるさと回帰をすると予測します。移住したり、二地域居住を行う人が増えるということで、こうしたことを追い風に、人を戻す努力ができないかというのが私の考え方です。 もう一つ、ふるさと回帰をする人は、団塊の世代を中心にして田舎で悠々自適をやると思っていましたが、実は田舎に行く人は田舎で働きたいと言っています。つまり、ふるさと回帰というのは労働力の移動。だから、400万人が動けば、そのうちの300万人が労働力になります。 先ほど17歳人口の20%が東京に行って戻らないとお話ししました。地方は公的費用を含め、若者一人を高校卒業まで育て上げるのに数千万円のお金を投資します。これをどう取り戻そうかということがないと、田舎はもちません。一つは地方交付税、このままでいいのかという問題意識があります。今の基準財政需要額の仕組みは人口が減った現在を評価しています。人口が減った現在を是認して、地方交付税が配られています。これはおかしいと思います。仮に東京に子供たちが出て行くことがいいという前提で考えますと、出て行くことはやむを得ませんが、たくさん東京に人を出した地方ほど多くの交付税が受けられる仕組みを考えないと、地方はリバウンドできません。過去の実績、これからの取組み、そういう意味で、財源復元機能として地方交付税を位置づけないといけません。 もう一つ、20%の子供たちが東京へ行ってそこで住民税を払いますから、地方に住民税は落ちません。これをどうやって奪還するか、その手段の一つが西川知事がお考えになった「ふるさと納税制度」で、これは非常にいい仕組みとだと思います。特に、所得控除ではなく税額控除にしているというのが非常に大きい。これは過渡的な措置であると考えており、願わくば住民税の2割を奪還したい。これを計算すると、大都市から8,000億円引き出す計算になり、そのときのやり方は何かというと、合理的な理由がないとだめですから、二地域居住したときに二地域居住先で住民税を払ってもらうといったことです。 私は第二の住民票をぜひつくってほしいと思っています。本居と兼居で案分しろというのが私の考え方で、ふるさと納税制度は1割を限度にしていますから、2割戻さないと地方は割が合わないという考え方です。 ふるさと納税制度について10万人アンケートで聞いたら、「既に特定地域に寄附をしている」というのが1%。ところが「どこに寄附したらいいか適切な情報が得られれば、ぜひ寄附をしてみたい」が31%。残りの7割ぐらいの人が知らないという状況で、とりあえず住民の3割の人が何かやりたいと言っています。ところが適切な情報先がなかったり、また手続上の問題もあったりします。これは重要な問題で、一つの考え方として、目的税化するということがあります。一般財源になっているというように誤解している住民の方もたくさんいます。市役所や町役場の人件費になってしまうと思っている人がたくさんいますので、ぜひそのようなことはやめていただきたい。 そういう中で、田舎の300万戸ある空き家を何とか維持管理したいと思っています。田舎に行きたいと思っている人が住むわけですから、ふるさと納税をして市役所に管理をお願いしたいということです。 それで、もう一つはふるさと回帰者の誘致補助金をつくってほしいというのが私の希望です。皆さん方の自治体は今まで企業誘致条例を制定し、誘致した企業は十分に雇用が増えますから、補助金を与え、税金を免除するということを行ってきたのですが、この企業が逃げてしまうなどグローバル化でとんでもないことになっているのです。 私は再三申しているように、ふるさと回帰者は自分で事業を興す人です。ふるさとで起業するという趣旨です。この人たちに補助金を与えてもおかしくないというのが私の持論であり、試算いたしますと、1人当たり80万円補助してもおかしくありません。 最後になりますが、投資環境を整備してほしい。これも先ほどと同じで、田舎の起業家に投資をしたいかというと、今やっている人は1%ぐらいですが、32%の人が投資環境が整備されればふるさと起業家に投資をしてみたいと言っています。いずれにしても、こういう環境が整備されることが、冒頭に述べました、2割がディスカウントされ続けていることを取り返せる手段であります。こういったことを、ぜひふるさと納税とあわせてやっていければと考えています。 【山根】 ふるさと納税という新しいシステムが日本中で動き出していることは大変すばらしい。 【西川】 一方で、そういう方にどのようにして地方に来ていただくかというのも、また課題であります。それで、今年の春から、全国の田舎と言われる11の県(青森県、山形県、山梨県、長野県、石川県、福井県、奈良県、鳥取県、島根県、高知県、熊本県)で横の連携を結び、いろんな提案をしたり、新しい時代の研究をしたり、あるいは自治体だけではなくて農協や商工会議所、大学など、民間で横の連携をする動きを行っており、その中でさまざま議論が出ています。 例えば、地方で企業が立地した場合に、40%の法人税率を30%にするといった議論があります。 また、介護では、東京では場所がとれず、お金を地方に持ってくるから地方で面倒を見てほしいという議論も起こりつつあります。 そして、単身赴任の慣行をやめたらどうかという議論もあります。少なく見積もって30万、40万人の単身赴任者が日本にいます。健康の問題、教育の問題、あるいは家族の問題など、いろいろありますので、これを何とかできないかと考えています。 そういったものを組み合わせながら、何とかして新しい人の動きをつくっていくということだと思います。 【山根】 【西川】 一つ目は、確定申告をしなければこの制度の恩典を受けられないということ。年末調整で何とかできないか、これはかなり制度的にクリアしなければならない問題です。 二つ目に、事務費として5,000円の負担があり、寄付金全額が生きてこないという問題です。 三つ目に、住民税でふるさと納税を受けるのは、その人の税金の1割までということで、それを例えば2割ぐらいにすることで、1割とか15%といった心配をせずに寄附ができるということです。 この3点について、国に対し、関係都道府県と要請を行っています。制度が発足してから約3年経ちますが、制度を改正するというのは大きな課題です。 【山根】
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